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2018年 02月のアーカイブ

ガラスは生き物

先日のお稽古時の出来事です。

 

いつもの工房。

マシンの廻るモーター音と、ガラスを刻む“シューッ”という

音がリズミカルに聞こえ、思い思いの作品を削り出す中、

突然『パキン』という聞きなれない音が室内に鳴り響きました。

 

たまに水が跳ねてライトの球に当たり、ヒビが入ることはあるので

その音かと思いました。

すると続いて生徒さんから小さな悲鳴が・・・

 

なんと制作中の作品の底に大きなヒビが入っていました。

金赤色が美しい菊籠目文の中鉢でした。

削り過ぎて穴が開いたわけでも、何かにぶつけた訳でもありません。

ただ、手に取って見ていただけなのに突然です。

 

もう少しで完成というところまで来ていましたので

とてもショックなご様子でした。

 

すると大ベテランのとある生徒様が肩を落とされるそのかたに

残念そうにこう仰いました。

「よく秀石先生が言っていたのよね。

ガラスは生き物だって」

 

本当にそう思います。

 

私達が削りに使う素材はガラス職人さんの手により

生み出された色被せガラスです。

混合された鉱物を濾で溶かし、

圧着したり冷ましたり、様々な工程を経て出来上がります。

表面上に不具合が無くても、ガラスの中に小さな歪があったり

細かい気泡があったり。

同じ金型に入れて成形したとしても、

人の手が生むものですから違いは出てくるのです。

 

パッと見にはわからない。

それはある意味“生き物”と同じかもしれない・・・

 

滅多にあることではありませんが

作りかけの作品が自分のせいではないのに

壊れてしまう。

なんともやりきれない話ではありますが

それがガラスの持つ性質であることも

ご理解頂ければと思います。

 

美しいものほど傷付きやすく儚いのです。

 

江戸切子がこれほどまでに愛されるのは

いつか壊れてしまうかもしれない危うい美しさを

愛でる悦び。

・・・ではないでしょうか。

 

割れてしまった生徒様には本当にお気の毒でしかないのですが

こればかりはどうすることもできず、

また気持ちを切り替えて頑張ってください、と申し上げることしか

できない私達です。

 

けれどもし万が一、割れたり欠けたりしても

そこからまた違う作品に生まれ変わることもありますから

破片は捨てずに取っておいてくださいね。(^^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018.2.23

春待ち

まだまだ寒い日が続きますが

ほころび始めた梅の花に春の兆しを感じます。

 

先日、全国の桜の開花予想が発表になりましたね。

東京は3月24日でしたっけ?

 

いずれにしても温かい春の日が待ち遠しいです。

 

さて、今日の作品は“春待ち”と呼びたくなる可憐なお皿たち。

 

 

信藤さん作: 梅と桜の豆皿

可愛らしく仕上がった揃いのお皿。春の宴に使いたいですね。

 

 

 

 

 

Kさん作:花縁 六寸皿

こちらは縁に切り込みを入れ、花びらに見立てたお皿。

とても上品な趣です。

 

いずれも作者は素敵な乙女達です。

また新作を拝見させてくださいね。

 

ご協力ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

カラフル!

月初は酸磨き後の作品が勢ぞろいします。

 

今月はとってもカラフル!

定番のルリ、金赤に加え、黒・黄色・紫・・・

 

個性豊かな作品のご紹介です。

 

上から時計回りに

三浦さん作:黒被せオールド 黄被せオールド

杉田さん作:金赤被せオールド

三上さん作:瑠璃被せオールド

 

 

 

こちらの皿は全て同じ素材ですが

作り手によって表情が全く異なります。

左から

田中さん作:紫被せ 菊文に麻の葉深皿

中島さん作:瑠璃被せ 籠目に矢来文深皿

手前:銅赤被せ 花縁深皿(参考作品)

 

カットの美しさに彩りが華を添えますね。

 

来月の作品も楽しみです!

 

ご協力頂いた生徒様、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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